平成唐竹地獄その1
京成クハ2008(昔)
Scale 1:150/Gauge 9mm


20-05 リニューアル完工?



戦災復旧車というのはどれも、その目を疑うような妙ちきりんさがたまらなく魅力的なわけですが、その中じゃかなりスマートな部類と思われるこの車までがゲテモノの括りで有名になったのは、他が整いすぎているためにいよいよ貫通扉の狭さが際立ってしまったからということでいいんでしょうか。
ロクサン形のパチモンをはじめ、色々と気持ちの悪いことをやっていた昔の京成電車。焼電を引っ張ってきてカラタケ割りにして幅を詰めたクハ2000形は30系ベースだったり31系が元ネタだったりで何輌もあったそうですが、今回は鉄コレ4弾から、見たところ一番綺麗そうなクハ2008を作ってみました。のちのちこいつが車体を乗せ替え台車を履き替え、すっかり新性能車のような顔をして210系に混ざって走るわけですが、それはまた別の話。
(Updated 2008.10.21)



材料
・鉄コレ第4弾 クハ16400(西武仕様だったかもしれない)
・GM [70-5] ガーランド・T型ベンチレーター
・GM [303] 東急3000系キット付属のランボード
・タヴァサ [PN-1433] ドアセットJ(1,100mm幅)
・銀河 [N-012] ヘッドライト(旧型国電用250w)
・どこからともなく削ぎ取ってきた標識灯
・プラ板・プラ帯
使用色
・Mr.カラー[14]ネービーブルー
・Mr.カラー[40]ジャーマングレー
・Mr.カラー[117]RLM76ライトブルー
・あと屋根に黒とか茶系とかも使った気がする



工作について

■車体

基本的に50系なので、実車どおり割って幅を詰めれば工作はほとんど完了です。
これについてはほとんど書くこともないのよね。書いたところで「割ってヤスって貼りました」ぐらいのことしか書けないし。加工中の画像もあったはずだけどなくしたし。ああ、幅は鉄コレ私鉄系製品のそれに合わせてあります。要するに鶴臨や南武と同じです。
連結面の幌枠は多分なかったと思いますが、何の考えもないまま妙に頑張って詰めてしまったので、もったいなくて残しました。車端の700mm窓の加工も例によって見送っています。かなりのタイプモデルです。幌枠削って貫通扉新製したらかっこよかったろうに。



前面の貫通扉はt0.3プラ板からの新製。作った時はうまくできたと思ったのに嵌めてみたら妙に歪んでて弱りました。一番ひどかった窓下部分は、結局塗装してから種別札を貼ってカモフラージュ。この調子でちょっと曲がった窓部分もなかったことに!と思いましたが無理でした。一応、元のモールドを活かして額縁状にしてます。向かって左側の窓にはプラ材で桟を入れ、そうすると自動的にハメ込み窓は入らなくなるので大人しく塩ビ板に切り替えました。側窓も同様です。
縦樋モールドは不要なので、シル・ヘッダーになるところだけ残してがりがり削ります。当該部分に沿って軽く切り込んでからナイフを入れると吉。これはモハ33やなんかの原形を作るのにも使えそうです。ドクロテールは多分製品オリジナル。ナイフ避けも兼ねて移設ぐらいはしたかもしれない。
幕板の運番窓とルーバーは不要なので削り、ルーバー跡には標識灯?を接着。どこかから削ぎ取ってきたには違いありませんが何だったか思い出せません。普段角型標識灯付きの電車なんて作らないためにオマケ前面パーツの類が大量に余っているので、その内のどれかだと思います。
幅詰めたら連結器胴受のサイズが合わなくなりましたが、気にしたら負けです。



側面はドア交換が最大にして唯一の加工です。あるかなーと思って海老名へ行ったらタヴァサのドアセットにドンピシャのパターンがあったので、喜び勇んで買ってきたはいいものの、いざ元のドアを抜いて嵌めてみてドッキリ。天地が足りてない!
同じ旧50系でも鉄コレとGMキットでは窓寸法が全然違うのはよく知られた話ですが(ただ全長はほとんど一緒)、どうも扉も同じことのようです。仕方がないのでそのまんま嵌めて接着剤やら何やらでスキ間をごまかして、塗ってみたら思ったより目立たなくてほっとしましたが、やはりメーカーごとの癖は馬鹿にできませんね。
扉窓の桟が曲がっていることについてはもう何も云うまい。

■屋根
車体と同じように幅を詰めて使います。割る前にグロベンの台座は削り、取付孔も不要ですがこれは詰める過程で自動的に消えるので放っておきます。詰め後の処理は通常の切り継ぎと変わらず、瞬着を盛ってごりごり削ります。
ベンチレータはGM製、ランボードは同じくGMの東急キットから。ただし屋根カーブのせいか傾きが目立つので、脚を片側だけ削り込んで短くします。ドア上の水切りは伸ばしランナーから。
前照灯は最初GMの国電キットに付属の成型品を付けていたんですが、完成後に一度窓ガラスが外れ、上廻りを外して補修中のところをうっかりして実物換算100m以上の高さから落下。んでもってライトも取れてどっかへ行って、慌てふためいて探すも見つからず、仕方がないので剥げた塗装をタッチアップしたり接合部のヒビをごまかしたりしているうちに椅子のキャスターの下に変な感触がするので見てみたら見事下敷きになってぺっしゃんこという失態を演じまして、幸い手許に銀河の250wヘッドライトがあったのでそれを付け直して事なきを得ました。結果的に見た目も強度も向上したので、怪我の功名といったところです。

■床下
床板パーツはもともと私鉄系と同じ幅で、上廻りとは窓ガラスを介して固定される構造なので、今回幅詰めした車体なら被せただけでぴっちり収まります。ただそのままだとぐらつくので車体側にプラ片でストッパーを付け、両面テープで固定してあります。床下機器は特に加工しません。

■塗装〜
見たことなんてあるはずがないので実車の色はよくわからないし、後年の青電車輌の模型を見ても振れ幅が大きくてあんましアテになりません。達人の人には秘伝の調色法があるんだそうですが、エアブラシ環境を持たない私にはちょいと荷が重い。で、キャンブックスか何かに他のクハ2000形のカラー写真が載っているのを偶々見つけたので、それを頼りに近似色のスプレーを探すことにしました。カラーと雖も古い写真ゆえ色味は怪しいもんですが、要するに較べる写真もないわけだからいいんです。
で買ってきたのはMr.カラーのネービーブルーとRLM76ライトブルー。中身を見るわけにいかないので蓋の色だけで探しましたが、塗ってみたらまァ概ねイメージ通り。どうかしら、結構いいでしょ。だめ?
屋根は黒っぽいといいなという願望から、いつものジャーマングレーに黒などまぶした気がしますがいかんせん記憶がないので詳しいことは書けません。
屋上機器も貼り付けてから一緒くたに塗っていますが、前照灯だけは前述の理由により後付けなので、筆で艶消し黒に塗っています。
「成田」の方向板と「準急」の種別札はペイントソフトで自作。インレタは忘れましたがGMのどれかの並べ替えです。K.D.K.ロゴもぜひ入れたいんですが、未だに手に入らないので今のところなし。

てなわけで、ひとまずいい感じに落ち着きました。暗い色はアラが目立たないからいいね!
一応カッコつけるために相方のモハ109も作ったんですが、窓配置が同じというだけで鶴臨をベースにしたため乗工社の江ノ電800並みに誰てめえな仕上がりなので、今回は載せないことにします。いずれ100形更新車とか長い食パンとか、もっと似合いの車を作って繋げてやりたいところです。


(おしまい)

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