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白昼夢はポールの音と木の匂い
江ノ電700形(フリーランス)
Scale 1:150/Gauge 9mm


18-03-10 完成



戦後、旧型車時代の江ノ電は面白い。とってもファンタスティック。
東京近郊の地にあって新幹線開業の年までポールを使い続け、ひとり黙々と軌道用とも鉄道用ともつかない不思議な電車を次々と誕生させ一大連接車天国を形成したり、500形や305Fみたいな名車を送り出したかと思えば306Fのようなゲテモノでお茶を濁したり、枚挙に暇がありません。
で、ゲテモノ大王はまあ301Fや306Fに譲るとして、そのスマートさに於いて旧型車の絶頂に位置すると言っても過言ではないであろう305F。これに304Fの四角い2段窓と502Fの角型前照灯を付けたいいとこ取りの
「なんかカッコいい300形」を一度やってみたいな…というのが長らくの夢でありました。

で、しかし自作に踏み切るとなると途端に二の足を踏む悪い癖のため、イラストやウソ電写真など作りつつ長いこと模型化は「夢」のままであったのですが、
時は2005年。鉄コレ発売。
日鉄自の側面をじっと見ていて気付いてしまうわけです。

「これ、出来るんじゃね?」

「カッコいい300形」はいつの間にやら欠番「700形」へと滑りこみ、今になってようやっと3次元の世界へとその姿を現したのでありました。

(Updated 2006年春)



材料
・トミーテック 鉄道コレクション 日本鉄道自動車12m級 上田2320×2/フリー モ1032×1
・GM グロベン(旧国キットより)
・真鍮線(0.5mm径)
・バンダイ Bトレインショーティー 江ノ電300形用妻板
・トミーテック 鉄道コレクション用動力ユニット 12m級
・他、GMキット用パーツ、プラ板等

使用色
・車体外板…GM 鉄道スプレー[30]東急ライトグリーン/[4]クリーム色4号
・屋根…Mr.スプレー[40]ジャーマングレー
・床下/屋根上機器…Mr.スプレー[13]ニュートラルグレー
・ウェザリング…Mr.カラー[41]レッドブラウン
・その他色差し…水性ホビーカラー[8]シルバー/[53]ニュートラルグレー/タミヤ アクリル塗料[27]クリヤーレッド


工作について

・車体
窓配置は305Fに倣うこととし、切り継ぎは1車体当り1箇所。上田の貫通側乗務員扉より前を切断し、モ1032の扉間から窓2枚分ずつ2箇所持ってきます。おそろしい場所に戸袋窓ができますが、見た感じそれっぽいので気にせず続行。
連接側妻面は悩みましたが、自作も考えた末に結局Bトレ流用。ここだけHゴム支持になりましたが、窓の高さもピッタリで予想以上にいい感じ。お陰でBトレ305が片輪になりましたがまぁキニシナイ。かつてスケールの305を作ろうと切り継ぎかけて放ってあるのがどこかにある筈だし…と、そちらはどこを探しても見つからないのですが。


切り継ぎ後の惨状。

※よい子のみんなは、塗装はちゃんと落として改造しよう!塗ったあとで思いがけない凸凹が露呈するよ!

日鉄自の前面は中央窓の狭いタイプで、305Fタイプの顔にするためオデコとともに加工することとなります。とはいえ基本構造はそのまま利用できるので、自作よりは余程気楽です。
オデコはエポキシパテ盛り→削りでシコシコ成型。窓はといいますと


一旦縦桟を全部抜いて、


プラ板で作った桟を貼り付け。
窓幅の関係で中央窓の広さが思ったほど強調できませんでしたが、まぁ良し。
未加工の前面(右)と見比べるとだいたい加工箇所がわかると思います。

本当は切り継ぎ前ぐらいにやってるのですが、張り上げ屋根とするために雨樋は削っておきます。
同様にノーシル・ノーヘッダー車のためそれも削ります。どれかを残す必要がないのでガリガリ削れます。削りすぎに注意。

細かいところというか最後らへんにやったあたり。
雨樋と縦樋は0.5tのプラ板から切り出して貼っただけです。エッジ立ちすぎました。もっとちゃんと処理してから貼ればよかった。方向板も同じく。
前照灯はキーポイントの一つというかこれが「305Fタイプ」ではなく純粋なフリーランスであることを主張する数少ないポイントなので何としても角型を付けたく、しばらく悩んだ末プラ板貼り重ね+国鉄用タイフォン(GMキットより)でまとまりました。ライトレンズはすっぱり諦めて塗装表現です。あんまり納得がいきません。
テールライトはGM東急3700付録の京急400用を削ぎ取り。ちょっと正方形すぎました。


完成後の前面。アラが目立つなあ。

・屋根上

一体成型なのでこれも車体に含めるべきかもしれません。実際同時に作業してますし。
とりあえずベンチレータを削り、穴をことごとく埋め平滑に。その後はパーツらしいパーツも付けず、配管も一切付けなかったのでとってもシンプル(という名の手抜き)です。ランボードくらい付ければよかった。
連接部にある配管の箱はGM江ノ電キットから。グロベンはもっと小さいのがあればよかったのですが、そんな処で制作が止まるのも嫌だったので(最初から準備しとけよ)GM旧国用をそのまま。305F同様の3個では賑やかすぎたので、2個に減量してそれっぽく。この方がバランスはいいかと。
ポールは分売がなさそうなので自作しました。0.5mm径の真鍮線を基に、先端部はエポキシパテで成型、根元もエポパテ+スプリングで作ってます。
ポールカーはポールを固定してしまうと一方向にしか走れなくなってしまうので、差し替え式にしようと鉄コレデフォルトのプラパンタの根元を利用。なかなか実用的です。最終的には脚を一本切って回転可能にしました。

・動力/床下
今回の鉄コレ改造品は(財力の関係で)殆どが非動力車ですが、やっぱり江ノ電は走ってこそなので、というか非動力で作っても連結運転のできるアイテムではないので当車にだけはモーターを仕込んでみました。動力だけのためにMODEMO製品を利用できるほど資金が潤沢でないので、代替策を考えねばなりません。

よく走ると評判の鉄コレ用動力を利用しましたが、連接車なので改造が必要です。動力ユニット加工は初めてで勝手がわからないので、とりあえず電気が通るようにおっかなびっくり作業。
見てみるとどうやら片台車駆動のようなので、とりあえず非駆動台車側をベースごとバッサリと切断。キャー。
オーバーハングの長い江ノ電のプロポーションを考慮しつつプラ板で床板を足します。補強に角材を入れたりしていますが案の定モーター部がたわんでいます。ろくに計画もせず行き当たりばったりで作業するからこんなことになるのですね。
切り離した非動力側もベースごとそのまま利用し、同様にプラ板にて床板新製。
さすがに1台車集電では心許ないので、先頭台車同士を結線して2台車集電にしました。結線が切れた状態でもなんとか走ったので(ぉぃぉぃ)まぁ2台車で問題なさそうです。
連接部は集電対応にするにはいろいろ面倒なのでダミーとし、両側から穴を開けた板を伸ばして台車のセンターピンで串刺しにするという小学生でも考えつきそうな方法であっさりクリア。強度と曲線通過時の抵抗が心配でしたが、路面モジュール規格を通過できたのには自分でも驚きました。
結線した結果トレーラー側にウェイトを積むスペースがなくなってしまい、江ノ電キット用ウェイトを縦置きという苦肉の策で何とか搭載しています。
台車枠は流石にピタリのものはないので、最も適当と思われるブリルタイプで代用しました。江ノ電にしては軸距が長いですが、オーバーハングの長さに救われてかさほど目立ちません。


なんとか完成。

床下機器は原型305Fや501Fの写真を見ながら、GMキット・鉄コレ用パーツをそれらしく配置。
連結器はどうせ時代的に重連運転はできないのでダミーとし、胴受は江ノ電キットに付属の1000形用を流用しました。MODEMOの305F1灯仕様などには何やら立派なモノが付いていますが、実際には自連時代の300形にはあんな仰々しいものは付いていなかったのでこちらの方がイメージ的に近いです。

が!
ここでトラブル発生。

胴 受 が 片 方 な い !!

馬肉氏によれば製作中の車体を学校で見せたときに机の上に落ちていて、気付いてたけど本人も気付いてるだろうと忠告しなかったとのことでしたが、

忠 告 し て く れ !

気付かなかったのよ、マジで!!
仕方ないので片側はプラ板を切り出して自作。目立たない部分でよかった。

教訓:細かいパーツを学校へ持っていくのはやめよう!
    机に鞄を置くときは、下に胴受がないかどうか充分確認しよう!

・塗装/仕上げ
江ノ電の緑とクリームは難しい色で、光線状態によって全く違う色に見えます。時代によっても全然色が違います。緑は'80年代の写真ではワサビみたいな色ですが、最近はなんか草餅みたいな色です。同様に1000形のクリームも随分変わってます。単に褪せの問題ではなくて、時代によって微妙に塗料の調合が変化してるみたいです。このあたり、琴電の色にも似てます。
しかし今回はまあ定石通りというか、GMの指定ツートンでお手軽に済ませてしまいました。撮影したらなんかケバそうな感じに写りましたが実際にはもうちょっと違和感ない感じです。個人的にはMODEMOの原色に近いツートンより江ノ電らしいではないかと気に入っております。
屋根上ジャーマングレー+屋根上機器ニュートラルグレーも最近の私的標準。今回は江ノ電なので床下もニュートラルグレーで塗っています。
昔の江ノ電は汚いイメージがあるので(今でもすぐ汚くなりますが)ウェザリングはゴテゴテにやってもよかったのですが、何だか勿体ない気がして結局床下に軽くまぶした程度で終わりにしました。屋根上も少しは汚した方がよかったかも。

車番はGMの旧国用インレタを並べ替えましたが、だいぶ文字が小さいので私鉄用に貼り替えを検討中。
EKS表記はBトレ1000形ステッカーに600形用として入っていたのを流用。やっぱり段差が目立ちます。
方向板も同ステッカーより。折角ポールを差し替え式にしたところでこれを貼ってはどちらにせよ片っ方にしか走れないのですが、まぁいいです。


てなわけで、紆余曲折を経て(大げさな)完成しました江ノ電700形(フリー)。
実をいうと(財力の関係で)MODEMO江ノ電は1両も持っておらず、江ノ電は小学生の頃クモハ51を切り継いで灰色のヒケパテを盛り盛りして作った化け物のような「303F(タイプ)」(現存。賢明な読者諸兄ならばこの種車と製作法を見れば大方その仕上がりを予想できましょう)以来2編成目です。
路面モジュール上でも走らせましたが、小さなポールカーがチョコマカと街並みの中をすり抜けていく姿はなかなかの趣き。やっぱり動力入れてよかった。


いいもんですよ。


(終)

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